「まごころ*花」は東日本大震災で被災した
岩手県の大槌町の仮設住宅暮らしの方の
生活支援が目的のプロジェクトです。

首都圏などのアーティスト達が
雑貨用の素材やパーツを制作・提供し、
そのパーツを使って仮設住宅で暮らす女性たちが
シュシュやブローチなどの雑貨を手縫いで仕立てあげ、
出来上がったハンドメイドの雑貨を
被災者支援バザーやネットショップなどで
全国のお客様に販売をして、その売上を
制作に関わった方の手にしていただくという支援です。
大塚さんの大槌町レポート/1月22日
 
1月21日〜22日の二日間、岩手県大槌町の仮設住宅で、まごころ*花プロジェクトのワークショップを行いました。今回のレポートは、森のワークショップに同行して下さった大塚菜生さんに担当していただきました。普段ノンフィクションの児童小説を書かれている大塚さんは、出会った方々にとても自然にお話をお聞きしてわかりやすい言葉でまとめて下さっています。

まごころ*花プロジェクトの活動、主旨については、この記事をお読み下さい。

このプロジェクト及びワークショップは、岩手県遠野市のボランティアネットワークの遠野まごころネットさんにご協力をしていただいて進めています。

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※文中のゆうもさんとは森祐子のことです、森のハンドルネームです。

1月22日(日)。
起きると、夜のあいだにさらに雪が降り積もっていた。
ゆうべホテルに到着したのが、八時過ぎ。少し休憩し夕食を食べ終わったのが十時で、その時の歩道の積雪量が二十センチくらいだったか、それよりもさらに深くなって歩行を妨げるくらいの雪量にキャリーを抱える場面多し。

そもそも、キャリーは持ってくるべきではなかった。登山靴や長靴をはいていたのは正解だった。

移動に次ぐ移動で目もしょぼしょぼ、一分でも早く寝たかった昨夜の私と違い、ゆうもさんはビールを飲んで寝たという。すごい。

移動は大変だったけど今回はやや体調不良もあり、夜行バスでうまく眠れなかった者には、温かいシャワーとベッドは極上のひととき、無理せず、このようなかたちも良いと思った。
六時半にタクシーで北上駅に到着し、花巻行の電車に間に合う。朝食つきのホテルなのに十五分でかっ込んだのも、これを逃すと二時間に一本という線だったためである。



花巻で乗り換え、遠野行きの線に。



八時頃遠野駅に到着。駅前にKさんが待っていて下さった。Kさん、なんと今日はお休みのところ、車を出してくれた。
冬場は、本当に人手不足なのである。

まごころネットに荷物を預けて、さあ、今日も大槌に向けて出発。

今日は「三宅」さんことPさん(←日本人ではなく、スタンフォード大卒のNYっ子)が同行。Pさん、日本語ぺらぺら。声だけ聴いていると日本人と話している気分。
そして今日も昼食の確保に、モモジロウのコンビニに寄ってもらった。しかし、残念ながら、モモジロウは不在。ゆうもさん……(TT)
モモジロウは日曜日をしっかり満喫しているのだろうと勝手に思った。

沿岸側にまわっても雪は積もっていて、途中、事故車を二台見かける。一台目は雪の壁に接触して横転していた。
Kさんは神奈川県民なので雪道は得意でない様子(いや得意な者はふつういないネ)。アイスバーンが怖かったに違いないところ運転してくださったと思う。感謝感謝である。
あとで聞いたら、大槌のあたりまで雪が積もったのは震災の三月以来だったそう。しかもこの深さは異例ということだった。

昨日の集会所に行く前に、北小学校跡地にできた福幸商店街に連れて行っていただく。ここは先月17日にオープンしたばかり。



プレハブ二階立ての建物に、ほっともっとやTSUTAYAなどの看板がみえる。美容室(美容師さん)も集まっている。
その一室に、ボランティアが常駐して、ちょっとしたお茶を飲める憩い場を提供していた。
一杯コーヒーをいただき、私たちも休憩。風邪気味のPさんは、鼻をかむかむ。あっというまに、ティッシュケースをカラにした。



集会所に向かう。

和室に入ると、片づけたはずのテーブルやら座布団やらが敷いてある。温風機のコンセントも差し込まれている。KHさんだ。
作業をはじめてまもなくKHさんがやってきて(この時で様子を見に来たのが三回目だったそう)今日も私たちのお昼の心配をする。「大丈夫です」というのに何か作っていると言ってまた出て行った。

さて、私はまごころ*花プロジェクトの支援をしていても、このシュシュの作り方をまったく知らなかった。
今日はゆうもさんに教えてもらえるということで、特に楽しみにしていた。ちなみに私の母は和裁も洋裁もなんでもこなす人、子供の頃からとても叶わないと思って距離を置いていたのが仇となって今の私は息子の靴下の穴を塞ぐくらいしか針を使わない。
そんな私にも手縫いでもシュシュが作れるから、と一から指導をしてもらった。わーい。
作り方の詳細は、ご著書『シュシュ作りましょ♪ 』で読んでいただくとして、このメビウスの輪のように重ね縫いしてうまく縫合するやり方を考案した方が「タイヤ縫い」と名づけたそう。
ふむふむ。なるほど。なかなか夢中になって面白い。
しばらくして、KHさんが野菜たっぷりの豪華なイワシのつみれスープを差し入れして下さったのでお昼にした。幸せ。



その後、花っ子隊のお母さんがやってくると、ゆうもさんと私の一対一のワークショップは終わり。





ゆうもさんはまた忙しくお母さんたちとやりとりしながら、作業を進める。ただ、さっきと同じシュシュの縫い方の説明をしているところで「チューブ縫い」と言っていたのは聞き逃さなかった。
あ、あれ?? タイヤでは? どっち?
どっちでもいいんです!

※すみません、森の言い間違いです。正しくは「チューブ縫い」です。

今日も、隣の部屋ではぞくぞくと子供達がやってくる。

日曜日、ご両親はどうしているのだろう。聞きたかったけど、もしも不幸なことに遭っていたらとうかつに聞けない。
そのうち一人の男の子S馬が和室に飛び込んできて、「お父さんはー?」とお母さんの1人が軽くきいた。
「家で、寝でる」。
ほっとした。

しかしこの男の子、私のおやつを食べまくったあと、妙に懐っこく何度も作業場に入り込んできた。昨日のEちゃんも活発だったけど男の子はさらにうわ手。
針を扱っているし、お金を出して買ってもらうものを作っている「仕事」であることを、強調して伝えては出て行ってもらう。また飛び込んでくる。
しまいには「こおら、S馬!」と呼び捨て。お母さんたちもキレそう(?)になっていたので、和室を出て少し相手をした。
この後もS馬はいろいろやらかし、仲間にハブられる。そのいきさつは、ここでは割愛。

お母さんたちから約束の70個のシュシュを預かり、ゆうもさんとていねいにラッピング。
作家さんから預かったシュシュ帯、ゆうもさんが染めあげたレース、イラストレーターさんの思いが込められたクルミボタンが見事なハーモニーで合わさって、一つとして同じものがない。
手作りならではの一点ものシュシュをラッピングしていく。
私の手が遅かったのはそういった奥深さを一つひとつ織りたたむように味わっていたからだと言い訳しておこう。
気が付くと、約束の三時を過ぎている。片づけ。

仕事を見つけそれぞれ活動していたKさんPさんも、集会所に戻ってきた。
今夜はさらに冷え込む予報。沿岸で零下9度くらいというと遠野はもっと寒くなる恐れがある。日が暮れる心配より、凍結のほうが怖い。
なるべく早く帰りたいところ、今日もKHさんの淹れてくれた温かいコーヒーで一息。



昨日よりずっと、お母さん方はなごんで会話も弾んでいる。よかった。
ほんとうは、もっとこういう時間を短いあいだに定期的に作りたい。

S馬に帰るというと「ふーん」と無関心。お母さんたちは、大きな袋や手提げをもって、それぞれの仮設に帰っていった。
いよいよ、集会所を出るときは、S馬が見送ってくれているのが見えた。
ここにくると心残りの思いでいっぱいになる。

ボランティアで集まってくる皆、そう思う人は多いのかも。
次回もきっとまた来てしまうだろうと予感しながら遠野に向かった。


[文責 大塚菜生]


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